乳癌の診断は早期発見、早期診断、早期治療を基本とします。
触診ではわからない状態(Stage0)で早期発見できれば、転移再発も少なく治癒する可能性は非常に高くなります。
検診はもちろんのこと、自覚症状があれば時間をおかずに受診し診察と検査を受けることをお勧めします。しこりには良性と悪性のものがあり、悪性でも早期であれば一見良性のように見えてしまうことがあります。触診・マンモグラフィ・超音波検査を受けていただき、しこりから細胞や組織をぬきとり顕微鏡検査でしっかりと診断をつけることが重要です。良性であれば経過観察となります。悪性であっても早期であれば転移再発も減り、つらい治療を受けることも少なくなります。
まずは悩んでいないで受診し、検査を受けていただきたいと思います。
術後治療
ホルモン治療や抗がん剤治療・放射線照射など、ガイドラインで定められた標準治療に沿って個々の患者さんにあった治療をお勧めします。標準治療とは、専門家が現時点で患者さんに最も利益が高い最善の治療として合意した治療方法です。当院では化学療法のために広いスペースを確保して点滴治療室を準備いたしました。
また副作用を和らげるために漢方薬の治療もあわせて行っていきます。
投薬治療が終っても定期的な診察や検査は必要となってきます。触診、マンモグラフィー、超音波、血液検査、CT検査等を行います。
転移再発による症状(骨折とか腰痛など)が出てから治療するのと症状が出る前に治療を開始するのでは、そのあとの生活の質(QOL)に差が出てきてしまいます。転移再発を完全に防ぐ方法はありませんが、術後の治療と定期検査をしっかり受けていただきたいと思います。
現在の治療方法とひと昔前の治療方法は変わり、非常に有効な新薬も次々と開発されています。
現在のガイドラインでは定期的なCT/血液検査は不要とされていますが、転移再発巣を早期に発見するために必要な検査も今後は重要になってくるかもしれません。実際に肝臓・肺・骨などに転移があっても検査をしなければわかりません。じわじわ大きくなって行く前に治療することは大切ではないかと考えます。